唐紙アート作品
千田長右衛門のブルーアート
聖なる祈りの青
世界平和への祈りを捧げるブルーアート作品
唐紙師 千田長右衛門が、
1000年を超える唐紙の歴史の中に
開拓した新たな領域が、アートです。
2008年、唐紙の歴史上はじめて唐紙を
アート作品(美術)として発表して以来、
前人未到の道を歩み続けています。
西洋の技法である点描と東洋のたらし込みを融合させ、
何千回、何万回と自らの指で染めていく
独自の技法「しふく刷り」から生まれる
深淵な青い唐紙作品は、
山川草木悉皆成仏の思想から生まれ、
八百万の神様や精霊と共に手がけた詩情が宿る
スピリチュアルな「トトブルー」と愛され、
青の芸術、青の作家とも呼ばれています。

文様を重ね、メッセージからポエジーへ
千田長右衛門は、文様がもともと持っていた力を解き放ち、
あらたなメッセージを生み出す試みにも取り組んでいます。
「例えば、流水は流水、星は星だし、龍は龍の文様として伝えてきたのが従来の唐紙ですが、ぼくの場合は、水面に星を写し、そこに龍を描いて 《星に願いを》という作品になります。渦の唐紙は、その規則性に変化を与え、エネルギーを象徴する渦をランダムに配してうねりを与え、その不揃いな絵の具の表情が特徴となります。意図しないことを意図する、無我の境地から生まれることを願った唐紙は、水の神さまと共に手がけたと考えて、 水の神様、ミズハノメから《ミズハ》と名付けました。抽象でも具象でもない文様を重ねて意味と意味を結んでゆき、物語を生み出すことによって、 唐紙にポエジー、詩情を与えたかった。心象風景を唐紙に写すことは、前人未到の試みとなりました」。
◎出典
千田長右衛門・千田愛子「人生を彩る文様」(講談社/2020年)

青の芸術家
トトブルー9つの定義/幽玄の美
The beauty of Yugen
Subtle and Profound Blue Art
1. 気配を感じること(何かが潜んでいること)
2. 陰影のゆらぎがあること
3. 微妙で曖昧で朧げであること
4. 深淵ではかりしれないこと
5. 余情があること
6. 静寂であること
7. 祈りがあること
8. 不揃いであること
9. 未完であること

唐紙師 千田長右衛門
唐紙師。唐紙を現代アートにした第一人者であり、唐紙の芸術性を追求し、東西の画法を融合させて自らの指で染める独自の技法「しふく刷り」から生まれる深淵な青い唐紙作品は、八百万の神様や精霊とともに手がけた詩情が宿るスピリチュアルな《トトブルー》と愛され、その聖なる青は、別格の青い世界と物語を生み出している。
2010年、MIHO MUSEUMに作品「inochi」が収蔵・展示されると、史上初のミュージアムピースとなった唐紙として話題を集め、2014年、東京国際フォーラム・相田みつを美術館で唐紙史上初めてとなる唐紙アートの美術展を開催。2020年には、世界平和への祈りをテーマにした22メートルに及ぶ史上最大の唐紙アート作品「Universal Symphony」を手がけ、美術館に収蔵・展示された。名刹養源院に奉納された作品「星に願いを」は、俵屋宗達の重要文化財「唐獅子図」と並んでいる。同寺にある俵屋宗達の重要文化財「松図」の唐紙修復も手がけ、三十三間堂本坊 妙法院門跡、名勝・無鄰菴、護王神社などにも唐紙を納めるなど、平安時代より続く唐紙文化の伝統(型)を継承しつつ、型を打ち破り、千田長右衛門が再解釈した現代美術なる唐紙の世界は、前人未到の道を切り拓いている。
2018年、百年後の京都に宝(心)を遺す「平成の百文様プロジェクト」(現在は「平成令和の百文様プロジェクト」)を提唱し、主宰。著書に「日本の文様ものがたり」(講談社)、「人生を彩る文様」(講談社)、「雲母唐長 文様レターブック」(青幻舎)ほか。
唐紙文化復興のため、2011年7月に唐紙師という呼び名を復活させ、創業400周年となる2024年には、千田長右衛門を襲名。8代目以降襲名されずにいた名跡を、およそ100年ぶりに襲名することとなる。


































































