tsugumi 青季道(あおきみち)
tsugumi 青季道(あおきみち)

季節は巡る
山巡る風に春夏秋冬がひそみ
波に飛び交う千鳥は移ろい

明け方の青…朝の青…昼の青…夕方の青…日暮れの青…夜の青…闇夜の青…

いつもそこには、青が在る
月の光がとこしえに導くやすらぎ

(トトアキヒコ)

※個人宅につき、非公開(2015年3月)

俵屋宗達の「蔦の細道図屏風」、重森三玲の「好刻庵」が大好きという美術に造詣の深いクライアントさんから依頼を受けて手がけたトトブルー作品「青季道」

作品を染め分けたり、ツートンにしたりするのはこれまでもやってきましたが、今回はシャープな線をいかに美しく描き画面を切り替えつつ、全体にどう一体感をもたらせられるかという課題に挑む。
しかも、三枚の襖をまたいで一本の線を描くというのは、初めてのことであり、実際問題…とても難易度が高い。
なぜなら、平面上にラインをひくのとは訳が違い、襖は建具の前後やかぶさりがある立体物である。

表具師との綿密な打合せにより、現場施工にも立ち会い、無事、納まった時の喜びは、ひとしお。

この作品は、異なる唐紙を継ぎ合わせた継ぎ紙を用いて制作。
美しい唐紙と唐紙をつなぐ美の世界だから、つぐ美。
実は、このコンセプトも名前も数年前に考えて一度カタチにしたことがあったのだけど、その当時のぼくには、まだ迷いもあり力もなかったので、世にちゃんとだし続けることができずにいた。

今回、数年ぶりに手がけたこの作品を世にだすにあたり、改めてこのシリーズと向き合おうと決めた第一作がこれになる訳で、ぼくがこういう考えに至ったのには、この数年の月日が必要であり、今回のクライアントや設計士との出会いがその機会をつくってくれたからなのであろうと思い、とても感謝している。

前のぼくでは、できなかったことができている。
まさに、時節感当である。

唐紙師 トトアキヒコ

唐長の文化を継承する唐紙師。従来の唐長の唐紙を継承した襖や建具、壁紙、唐紙を用いたパネルやランプなど、現代の暮らしに合うさまざまな唐紙を制作している。唐紙をアートにした第一人者であり、唐紙の芸術性を追求し、点描とたらし込みを融合させ自らの指で染めていくトトアキヒコ独自の技法「しふく(Shifuku)刷り」や「風祈」から生まれる深淵な青い唐紙作品は、八百万の神様や精霊とともに手がけた詩情が宿るスピリチュアルな<トトブルー>と愛され、公共、商業施設、個人邸に納め続けている。

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雲母唐長(KIRA KARACHO)唐紙師・トトアキヒコ